2014年7月1日火曜日

内集団ひいき行動の適応的基盤 : 進化シミュレーションを用いた検討

あっという間に3日坊主の危機。

この論文、2月に読んで、触発されて発展モデルまで組んだのに、結果が芳しくなくて放置中。
モデルを一般化して結構きれいにしたんだけどな。でも派生して思いついたのが進行中。

芳しくない結果を復活させるためにもう一度読む。

小野田竜一, & 高橋伸幸. (2013). 内集団ひいき行動の適応的基盤 : 進化シミュレーションを用いた検討. 社会心理学研究, 29(2), 65–74.

公共財ゲームで、個人を2種類にラベリングする。
単純にラベリングがあるだけで、内集団ひいきが加速してしまうのではないのか?それが集団主義を招くのでは?というクエスチョンに答える。

個人は誰に資源を提供するかを2つの基準で選ぶ。
1)集団の選択:内集団、外集団、全集団
2)行動の選択(t-1のスコア・行動による選択):誰でも、寄付した、内集団に寄付した、外集団に寄付した、Goodに寄付した、内集団のGoodに寄付した、外集団のGoodに寄付した
その他に例外として、ALLD戦略がある。

ゲームの構造が独特。
資源Bをm人に分割して寄付する。その際のmの選別が上記の基準に従う。というか上記の基準を満たす人のうちm人を選んで分割配布する。
なんでこんな設定なんだろう。
というか、マッチングがランダムじゃなくて、N人集団から自身の選択基準でGoodとなるメンバーを抽出して、その中からm人を選んでいる。
「引用:第1試行において 外集団の成員にすべての資源を提供していた個体をGoodとみなし、その中からm人の外集団成員に資源を 提供する。」

ホワイ?これが結果を導くキモでは。最初に読んだときはスルーしてしまいランダムマッチかと思ってた。

結果:
「内集団のGoodにだけ提供する個体をGoodとみなし、内集団のメンバにだけ寄付する(I,I*)」という内集団ひいき戦略が適応的。
また、内外の両方に必ず提供する、という戦略を導入すると、内外提供するGoodのみをGoodとする(I&O,I&O*)、戦略と(I,I*)が共存(両方強い)。

理由:
それぞれ、自分と同じ戦略にだけ寄付するから。
他の戦略は自分以外にも寄付してしまうため、適応的なのは厳しい同じ戦略のみを評価する戦略だ。

それにしてもこのリサーチクエスチョンは面白い。
まだまだ鉱脈が眠っていそうな感覚。

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