2014年7月5日土曜日

Going green to be seen: status, reputation, and conspicuous conservation

reputationとcostly signalingとは面白そう。エコ製品買うのは見られるためだって。えーと、要するにエコもロハスもモテるため、っていうことでよろしかったでしょうか。

よろしくないだろうから読む。

Griskevicius, V., Tybur, J. M., & Van den Bergh, B. (2010). Going green to be seen: status, reputation, and conspicuous conservation. Journal of Personality and Social Psychology, 98(3), 392–404. doi:10.1037/a0017346

なんでひとは「グリーン」な商品を買うのか。それは利他的な行動ではないか。コストもかかるし品質だって劣る(なんというぶっちゃけ)。

これはコストをかけたシグナリングとして理解できるのではないか。

3種類の実験をやったところ、activating statusがグリーンな商品の購買をもたらす。要するに、ステータスに関する競争環境だと、それを高めるためにグリーンな商品を買うような環境志向の行動を促すと。

競争的な利他主義とシグナリングは昔から言われてる。たとえば、ネイティブアメリカンにおいても、他者に資源をたくさん与えられる人がグループ内で高い地位を得る。とはいえ、利他主義はコストがかかるのだから、理論的には利他主義がサバイブするというパズルは難しい。

Kin Selectionとか互恵主義とかいろいろあるけど、注目すべきはシグナリングセオリーですよ奥さん。ザハビ先生からこっち、動物界、人間の行動でずっと研究されてきてる。

というわけで、車を選ぶシーンです。ディーラーで贅沢な車、エコな車、などなどから選ぶときに、人が人の目を気にしたらどうなる?従来の知見では、富の象徴として高い車を選ぶでしょう。しかし、高い車を選ぶという予測では、その人が社会的な効用より自分の効用を選ぶセルフィッシュな人だとみなされるということを考慮してない。

実験1:
同じ価格のグリーン商品と贅沢商品から選ぶ。168人の大学生を使うよ。少人数グループにわかれてパーティションで区切られたPCの前にすわる。

Status群は実験の前に自分をイメージしやすい大学生のサクセスストーリーを読む(卒業して大企業に入ってバリバリエリートになったぜ、みたいな)。そうするとControl群とくらべて圧倒的に、社会的地位や名声への欲求が高くなる。例えば:(6.63 vs. 1.97 on a 1–9 scale, p < .001, d = 2.4)。ほんまかいな。

ポイントは、サクセスストーリーの中では、どうしたら成功するのはプライムしてない。例えば自己犠牲やProcosialな行動が有利とは一言もいってない。

その後、車、空気清浄器、食器洗浄機を選ばせる。これらは同じ価格で、贅沢な機能なほうと、Greenなほうに分かれている。で、別の112名の大学生に、これらの商品を持っている人がどれくらいイケてるか(素敵で、優しくて、利他的)を評価。当然、Greenのほうがいけてると評価された。

見事に、Status群はGreenな商品を選んでました。

実験2:
シグナリングセオリーによれば、シグナリングは自分の行為が相手に見られるかどうかがキーとなる。ということで、購買行動がパブリック(店で買う)なのかプライベート(ネットで買う)なのかで行動が変わるかを検証する。

93名の被験者で実験1と同様のセッティング。今回は、Status×Control、Public×Privateの4通りです。Statusのコントロールは実験1と同様で、Publicでは「店で買っていることを想像して」、プライベートは「家でネットショッピングしてると想像して」。ば、場面想定。しかも近だけシンプルで。本当に影響でるのかね。さすがに車とかはネットショッピングしないので、バックパック、バッテリー、テーブルランプでやった。

なんとなんと、パブリックではステータス群のほうがグリーン商品を選ぶんだけど、プライベートではステータス群はぜいたく品を選んだ。つまり、costly signalingの観点から見ると、誰かに見られていて自分の評判に影響を与えるときにだけ、人はエコ商品を選ぶ。エコ商品を選ぶということがシグナリングになってるのだ。

実験3:
色々やったけど、先行研究では逆の結果も出てたりする。価格の問題が大きいのだろう。自分たちの研究では、両者の価格は等しいということにしている。しかしたとえばGreenのほうが安かったら、シグナリングとしてはジレンマに陥る。

ということで実験。156人の学生つかってこれまでと同様なセッティング。Status×コントロール、Greenが高い×安いの4パターンでいく。

結果どーん。お見事にControl群では、安いGreenが好まれるけど、Status群では安いGreenは好まれず、逆に高いGreenが好まれる。主効果も交互作用もでてる。

限界やらいろいろあるけど、costly signalingで評判を高めて集団の中での優位を築くってのはありでしょう。

エコもロハスもモテるため。

しかし、単純なカバーストーリーと場面想定でこんなにもきれいに出るもんなんだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿