2014年7月21日月曜日

Review: Computational Approaches to Studying the Co-Evolution of Networks and Behavior in Social Dilemmas

面白そうな本のレビューを見つけた。テーマ的にはビンゴだ。しかも理論・モデル・データ検証をつなぐといっている。手法の枠組みも魅力的。早速注文したのでざっくりレビューを読む。

Review: Computational Approaches to Studying the Co-Evolution of Networks and Behavior in Social Dilemmas (Wiley Series in Computational and Quantitative Social Science): Corten, Rense,WileyBlackwell: Hoboken, NJ, 2014,ISBN 9781118636879 (hb), J. of Artificial Societies and Social Simulation,Volume 17, Issue 3.

社会的ジレンマにおける社会ネットワークと個人の特徴の共進化を、実験やらシミュレーションやらを統合してまとめる。
こ、これは。

1章では、社会的ジレンマと社会ネットワークのアウトラインをグラノベッターの理論をベースに拡張していく。特に社会的文脈は固定でも外生的でもなく個体の行動と共進化するという拡張をいれている。

2章では、ダイナミックネットワーク上のコーディネーション問題の理論モデルを説明する。しかしなんと!オピニオンダイナミクスについてはレビューしないとな。行動や意見の社会における普及を扱ってるのに。。これは著者の狙いで、コーディネーションゲームのようなゲーム理論の枠組みと、リンクが利得やコストを持つという合理的なセッティングでいくのが売りです。そしてそのあと極化とネットワーク構造のダイナミクスについてインプリケーションを引き出す。

3章ではダイナミックネットワーク上の協調問題の理論的モデルを扱う。面白いのは評判の効果はネットワーク密度が低いほど強いという結論だ。しかし、全然データとの検証をやってないやんけ。theory-model-test cycleを売りにしてるのにそれはけしからん(とレビュワー先生はおっしゃる)。

4,5章ではコーディネーションモデルを実験室実験と、調査データ(青年期のアルコール摂取?)で検証する。

とりあえず届いたら読んでみよう。あたりだといいな。

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