2014年9月6日土曜日

Intracultural diversity in a model of social dynamics

見事に1か月の夏休み。ダウンロードして満足どころかチェックすらしてない日々。いかんいかん。

ESSA2014で自分たちの発表と似たことやっている人からコメントもらった。ついでに論文も送ってもらったので読む。

Parravano, A., Rivera-Ramirez, H., & Cosenza, M. G. (2007). Intracultural diversity in a model of social dynamics. Physica A, 379, 241?249. doi:10.1016/j.physa.2006.12.032

Axelrodのモデルにちょい足し。

Axelrodの発展はいろいろやられてる。統計物理系では、文化の多様性の非平衡相転移がおこる(ベクトルの長さと深さによって)ことが示されてきてる。あとはノイズの影響とかマスメディアの影響とか。トポロジーもやられている。でもこれまでの研究群はAxelrodモデルに忠実だから、かならずホモジニアスな文化が1つないしはいくつか残るという結果になる。ということで我々は、相互作用に制約を設ける。というのも個人は、隣人との間で少しは違うアイデンティティを持とうとする傾向があるからだ。

こ、この1行でモデルの妥当性というか意味を説明しちゃっていいのか、Physicaは。なるほどねぇ。ここを狙おう。このままさっくりとモデルとシミュレーションに入る。

特徴ベクトルの長さF,深さqとして、元のモデルではビットの一致率ω(i,j)/Fで相互作用するかどうかが決まるけど、Fdという相互作用の上限を設定する。0 < ω(i,j)/F < F - Fd この条件を満たした時だけ相互作用。Fd=0ならアクセルロッド、Fd=Fなら相互作用は全く生じない。

シミュレーションをやった。N=400,F=11,q=10,Fd=1。結果、当然に見えるんだけど1ビットずつずれた文化群が残存する。ですよねー。

ここから統計物理的な特徴をみていく。まず、qを増やして最大文化のサイズの推移をみると、Fd=0では1からスタートしてあるところで急激に減少。Fd=1では0.1からスタート、Fd=2なら0.01、Fd=3なら0.002あたりからスタートして、やはり減少する。その他、Fdを変化させて、最終段階のω(i,j)の分布を見たり。

結論。モデルの特徴をざっと説明してる。このモデルの良さは、文化的なグラデーションを表現するのに使えるだろう(方言とか料理の習慣とか)。

このモデルで本当に文化のグラデーションが説明できたかとか、その辺の検証は一切なくて、あとは観察指標(最大文化サイズ、ランクごとのサイズの分布とか)が何なのかも特に説明はない。Physicaはこういうのでも通るのかぁ。いまやってるやつはPhysica方面にいけるようにまとめよう。そうすると統計物理ぽい処理が必要なのかな。

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