2014年9月8日月曜日

Social influence promotes cooperation in the public goods game

今年のESSAはまあまあ面白かった。そして英語論文がないとまったくもって話しにならないことを改めて実感。いやー。

Physicaが案外自由なんじゃないかと思って協調系の論文も読む。

Wu, T., Fu, F., Dou, P., & Wang, L. (2014). Social influence promotes cooperation in the public goods game. Physica A, 413, 86-93. doi:10.1016/j.physa.2014.06.040

公共財ゲームで個人の影響力を考える。モチベーションとしては、従来の公共財ゲームでは戦略のコピー相手はランダムに選ばれるけど、実際の社会では個々の影響力は異なるはずだ。ラティスでノイマン近傍でプレイする公共財ゲームを使う。

個人の影響力をθi(t)として、iがjをコピー相手として選ぶ確率Ai_j=θj(t)/Σθk(t)とする。
そんで選ばれた相手jの戦略に変化する確率がW=1/(1+exp[(Pi-Pj)/k])。kが淘汰圧。θj(t+1)=θj(t)+αで選ばれた相手の影響力は増加する。
α=0なら従来のモデルと同じだ。

これはこれで進化の方法だけどGAだったり模倣だったりとの本質的な差はどこなんだろう。モヤモヤ。自分の研究もきっとこういうモヤモヤを振りまいているんだろう。気を付けよう。振りまくほど読まれてないという可能性は無視。

正規化のためにη = r/G(rは公共財の増幅率、Gはプレイヤー数(ノイマン近傍なら5)を導入する。良く知られているように(知らんかったが)空間公共財ゲームではη>0.76で協調が生き残る(A. Szolnoki, M. Perc, G. Szabo, Phys. Rev. E 80 (2009) 056109.)。へえ。これも読まなくては。

横軸η、縦軸協調率にして、いくつかのαでグラフを書くとαが大きいほうがα=0より協調が促進されている。

で、影響力の効果を見るために、θを0.2刻みで区切ってC/Dの存在比を見てみる。αが大きい時を見てみるとθが大きいプレイヤーはCの比率が他に比べて高い。

αとηの平面で協調率のヒートマップを書いてみると、C=0になるところとC=1になるところに2つの閾値が見える。また、αを変えて進化のスピードを見ると、最終的な協調率と各αにおける協調の上限に達するまでの時間にはトレードオフがある。

最後にBAとSWネットワークでも検証する。やはりαが大きいほうが(すごく微妙なんだけど。。。)協調の進化が速い。BAモデルではかなり早くてη=0.5あたりで立ち上がっている。ちなみに二次元ラティスでは0.7-0.8くらい。しかしSWでは0.8ではまったく協調が進化してない。

というわけでSocial influenceを導入するのは協調の進化に有効です、と。すいません、メカニズムに関してノータッチなんですけど。。自由ばんざい。

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